ミトコンドリア病とは?
ミトコンドリア病とは? (病名の種類が多い理由)
ミトコンドリア病で認められる主な臨床症状(他の病気の原因になってる可能性)
ミトコンドリア病の種類  慢性進行性外眼筋麻痺症候群について
 ミトコンドリア病の分類

 
ミトコンドリア病とは?
ミトコンドリアは、人のすべての細胞中に存在しています。 細胞のエネルギーを作る仕事をして、人が生きるうえで とても大切な役割を担っています。
何らかの原因でミトコンドリアの働きが悪くなると、全身のあちこちに いろいろな障害がでてきます。特にエネルギーをたくさん使うので影響が大きく、障害が現れやすいのが脳と筋肉なので、
トコンドリア脳筋症とも言います。 
患者さんごとに症状は多種多様ですが、疲れやすいとか、成長が遅いなどは、ほぼ共通しています。
 

ミトコンドリア病で認められる主な臨床症状
 

中枢神経   脳卒中症状、けいれん、失調、偏頭痛、知能低下、ミオクローヌス、精神症状、ジストニア、ミエロパチー
骨格筋   筋力低下、易性疲労、ミオパチー、高CK血症
心臓   心筋症、WPW症候群、伝導障害
  外眼筋麻痺、網膜色素変異、視神経障害
肝臓   肝機能障害
腎臓   糸球体病変、バーター症候群、ファンコニー症候群ミオグロビン尿
大腸・小腸   下痢、便秘
内耳   感音性難聴
血液   鉄芽球性貧血、汎血球減少
すい臓   糖尿病、外分泌不全
皮膚   発汗低下、多毛
内分泌腺   低身長、低カルシウム血症

これらの症状のいくつかが1人の患者さんに同時にでることがミトコンドリア病を疑う根拠となります。ミトコンドリア病は、臨床症状による病名と、エネルギー工場としてどこで障害がおきているかで分類する生化学的異常による病名があります。
 
 

ミトコンドリア病の種類

KSS(慢性進行性外眼麻痺症候群)
外眼筋麻痺(CPEO)の一種、まぶたが下がり眼球の左右上下の運動ができない外眼筋麻痺の症状と、心伝導障害、網膜色素変性、筋力低下などを併発します。

MERRF(福原病)
子供に多い病気です。 症状として、手足がときどき細かくふるえるミオクローヌスや てんかん発作、知的退行、歩行障害などがあります。

MELAS
症状としては、脳卒中様発作が特徴です。
頭痛、筋力低下、知能障害などが起こる場合もあります。

Leber病
20歳前後に発病するケースが多く、男性の比率が高い視力低下が主な症状ですが、多発性硬化症に似た症状や、ジストニアの合併を伴う場合もあります。

Leigh脳症
手足の動きが悪くなり、知的障害、けいれん、意識障害、退行、呼吸障害などがおこります。
乳酸、ピルビン酸の数値が高いことが多く、脳の断層撮影では、大脳基底核や脳幹に病変が見られます。

ミトコンドリア異常を伴う糖尿病
ミトコンドリアの機能異常による、インスリン分泌障害で糖尿病になります。
難聴を伴うことが多いものの、脳や筋肉の障害はまれです。

Pearson病
乳児の病気です。高乳酸血症、代謝性アシドーシスなどを伴い、生後まもなくから、血液の障害、特に重症貧血がおこります。頻繁に輸血をすることがあります。

その他
 
 

ミトコンドリア病の分類

生化学的異常による分類

基質の転送障害   carnitine palmitoyltransferase 欠損症
カルチニン欠乏症
基質の利用障害   pyruvate carboxylase 欠損症
pyruvate dehydrogenase 欠損症
β-oxidationの障害
TCA回路の障害   fumarase欠損症
α-ketogulutarate dehydrogenase 欠損症
酸化的リン酸化共役の障害   Luft病
電子伝達系酸素の障害   複合体1欠損症
複合体2欠損症
複合体3欠損症
複合体4欠損症
複合体5欠損症
複数の複合体欠損症

臨床症状による分類

慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)(含Kearns-Sayre症候群)
ミオクローヌスを伴うミトコンドリア病:MERRF
卒中様症状を伴うミトコンドリア病:MELAS
その他:Leber病、Leigh脳症、Pearson病、NARPなど

DNA異常による分類

核DNA異常
mtDNA異常
(欠損・重複)-(点変異)-(欠乏状態)

慢性進行性外眼筋麻痺症候群について

この病気は子供のとき発症することが多いのですが、成人発症もあります。外眼筋とはまぶたを持ち上げる筋(眼瞼挙筋)と眼球を動かす筋肉がうまく働かなくなる病気です。
ですからまぶたが下がり、目を左右、上下に動かすことができません。多くの患者さんはこの目の症状と疲れやすいことが主な症状です。進行の速度はいろいろで、一生、目の症状だけで終わる人もいます。また手足の力が弱くなる人もいます。
一般に成人発症の方が予後はよいと考えられています。

この病気はときどき不整脈(心伝導障害といいます)を伴いますので、心臓の定期的チェックが必要です。まれにはペースメーカーを必要とします。
目の症状、心伝導障害と網膜色素変性(直接視力とは関係ないのですが、眼底検査で異常があります)の3つの症状がある人のことをKearns-Sayre syndrome(Kearns とSayreはこの病気を最初に報告した人の名前です。略してKSS)といいます。
この病気はミトコンドリアDNAの欠失ですが、突然変異によるものが99%で遺伝はしません。1%は常染色体優性遺伝です。

治療法はコエンザイムQ製剤(エーザイからノイキノンという名前で発売されています)の多目の服用で効果があるといわれています。

まぶたが下がって困っている人にはアイプッチ(二重まぶたをつくる接着剤のようなもので、寝るときには簡単にとれます)を化粧品屋でお求めになり、試みられてはいかがでしょうか。やはりまぶたが下がる筋強直性ジストロフィーの患者さんが使用してよい結果を得ています。ぜひ試みられて、結果をお教えください。

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